いま、アフリカのケニアで象が乱獲されています。10年後には絶滅の恐れがあると心配されているというのです。なぜなのか。
理由は「象牙」。高価で売買される「象牙」欲しさに、銃を使った象の密猟が日常化しているというのです。密猟者はだれに象牙を売るのか。だれが買うのか。調べると、売り手はテロ組織、買手は中国と日本だという。
日本はテロ組織に現金を
象牙の売買はワシントン条約で禁止されています。しかし闇ルートでの売買が行われており、闇の輸入国は中国と日本だという。中国と日本は、なぜ禁輸されている象牙を買うのか。両国は象牙を工芸品や印鑑に用いるのです。高価な商品になります。
密売象牙価格は1キログラム150ドル、1頭の象の牙は約13.5キログラム。テロ組織が象牙を中国と日本に売って現金を手にし、組織活動の資金に当てている。という筋書きがわかってきました。
象牙を買う国がアフリカを壊している
この現実を、日本と中国の象牙輸入関係者は知っているのでしょうか。象牙製品を買う市民は知っているでしょうか。ぼくは象牙製品をもちませんが、この現実はきょうまで知りませんでした。政府はどうか。
国際的に禁止されている象牙を闇で手に入れ、商品化して利益を上げる市場原理主義の行為。それは、アフリカ象の絶滅を招くだけでなく、貧しい地域市民を貧しさ故に密猟に駆り立てています。なんという悲しい現実、なんと道徳に反する行為でしょう。
現地でこの悪と闘っている日本人女性獣医師
滝田明日香さんです。5月26日(月)NHKテレビ「クローズアップ現代」で、この理不尽な行為の現実を訴えました。しかし、発言時間はほんの僅か。わざわざ日本にまできて現状を語るには、全く不十分な時間しかNHKは与えなかったのです。だれに、なにを、遠慮したのか。60分の特別番組に値する重要なテーマであるだけに、情けなくなりました。しかし、ただ一人で闘う滝田さんに声援だけは送ろうと思っています。
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